急に発疹が出てきたら

症状と病気

急に発疹が出てきた場合は、ウイルス性発疹症であることが一番多いです。
何らかのウイルスに感染した場合、咳や鼻水といった風邪の症状が出ることが多いですが、発疹が出てくることもあります。 発疹を出すことで有名なウイルスには、みずぼうそう(水痘)や突発性発疹症などがありますが、発疹を起こすウイルスで名も知れていないものもたくさんあります。
「なんらかのウイルスによる発疹」と診断された場合は特に治療は不要であり、自然に治っていくのを待ちます。かゆみが強ければ、症状を和らげる飲み薬や塗り薬を出すこともあります。

ただし、ウイルス性発疹症は、検査などで証明することができません。
ウイルス性発疹症ではない場合は、治療が変わってきます。ウイルス性発疹症以外にはどんな病気があるか解説するので、気になるところがあれば病院を受診するようにしてください。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹の特徴は、地図のような形をした、モコモコした発疹です。数十分~数時間で発疹の強さが変化することも特徴です(悪くなることも良くなることもあり)。「病院に到着して待っている間に良くなっちゃった」なんてこともよくあります。
アレルギーに関する細胞が蕁麻疹を引き起こしますが、原因を特定できるものは3割程度しかありません。疲労やストレス、環境の変化などで蕁麻疹が出ることもあるので、原因の特定が困難なことは珍しくありません。
なお、特定の物質によるアレルギーの場合は、蕁麻疹だけではなく、呼吸や血液循環に異常を起こし、速やかに治療をしないと重篤な状態になることがあります(アナフィラキシー)。蕁麻疹に加えて、息が苦しそう、吐いている、ぐったりしている、目や唇も腫れあがっているなどの症状がある場合は、救急車ですぐに病院を受診してください。 蕁麻疹だけであればあまり心配はいりません。かゆみ止めが処方されることが一般的ですが、ほとんどの場合、数日以内に良くなります。

薬疹

お薬に対するアレルギー反応です。
どのお薬でも出る可能性はあるのですが、抗生物質や抗てんかん薬で特に多いです。

薬疹を証明することは難しいのですが、疑わしい薬がある場合は可能ならば中止する必要があります。ただし、病院から処方されている薬を独自の判断で中止するのは危険が伴いますので、必ず医師に相談するようにしてください。薬疹の場合、発疹が身体だけではなく目や唇などの粘膜にまで広がっている場合は緊急事態です。速やかに病院を受診してください。

川崎病

川崎病は、発疹のほかに、長引く熱、目の充血、口の赤み、指の腫れ、首のリンパ節の腫れを起こす病気です。全部が揃わないことも多いですが、発疹だけで川崎病と診断されることはありません。発疹のほかにこれらの症状があるときは、小児科を受診してください(あわてて救急車で来る必要はありません)。 ほとんどが乳幼児期のお子さんであり、5歳以上のお子さんに起きることは稀です。

みずぼうそう(水痘)

みずぼうそうの原因は、「水痘帯状疱疹ウイルス」ですので、厳密には「ウイルス性発疹症」の一つです。ただし、その他大勢の「ウイルス性発疹症」と違って、抗ウイルス薬があって治療可能なものになります。

みずぼうそうは治療をしなくても自然に治っていくことがほとんどですが、中には重症化して、髄膜炎や細菌感染を合併することもあります。特に、お母さんからもらった免疫が低下してきて、予防接種をちょうど打つ前の生後半年~1歳が重症化しやすい年齢です。 みずぼうそうの特徴は、「水疱」と呼ばれる液体を含んだ発疹で、頭皮や髪の生え際にも出現します。かさぶたになっている部分もあります。このような特徴はありますが、見慣れていないとなかなか判断が難しいです。

突発性発疹症

突発性発疹症の原因も、「ヒトヘルペスウイルス」というウイルスなので、「ウイルス性発疹症」の一つです。その他大勢の「ウイルス性発疹症」と同じく、特別な治療薬はありません。ただ、突発性発疹症は小児科でとってもありふれた病気なので、解説しておきます。

突発性発疹症は、2歳までにほとんどの子が経験する病気です。
最初の症状は「発熱」だけなので、そのほかの病気と区別することは困難です。3~4日高熱が続いた後で、熱が下がってくるタイミングで全身に発疹が出てきます。そこではじめて突発性発疹症と診断が付きます。 基本的に特別な治療は不要な病気ですが、高熱に伴ってけいれんを起こしたり、稀ですが脳症を起こしたりすることもあります。様子がおかしい場合は小児科を受診するようにしてください。

まとめ

元気がよくて、症状が発疹だけであれば、「ウイルス性発疹症」と診断をされて自宅で様子を見ることが多いです。時間が経てば良くなってしまうことがほとんどであり、その場合はあまり心配はいりません。
ただし、最初の時点で発疹の原因を判断することは難しいですので、発疹以外の症状がでてきたときや、なかなかよくならないときは、再度病院を受診することをお勧めします。

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