歩き始めが遅いけど問題のないお子さん~シャフリングベビー~

子どもの発達

歩き始めは1歳くらいから獲得するようになり、1歳5か月で90%のお子さんが上手に歩けるようになります。

はいはいや歩き始めが平均と比べると遅いけど、その後の発達に問題のない「シャフリングベビー(いざり児)」というお子さんたちがいます。
珍しくないことなのですが、親御さんにはあまり知られていない言葉のため、発達がゆっくりであることをとても心配して小児科に連れて来られることもあります。

今回は「シャフリングベビー」について解説いたしますので、「歩き始めが遅いかな?大丈夫かな?」と心配している親御さんにとってお役に立ちますと幸いです。

シャフリングベビー(いざり児)とは?

「シャフリング」とは、「足を引きずって歩く」という英単語です。
「いざる」は「座ったままで進む」という意味の日本語です。

はいはいや歩行を嫌がり、お座りの姿勢でずりずりと移動するお子さんたちを、シャフリングベビー(いざり児)と呼びます。

このようなお子さんは珍しいものではなく、病気とは考えません。歩き始めは1歳半~2歳と平均よりも遅れることが多いですが、その後の発達には問題ないことがほとんどです。

シャフリングベビーの原因は?

原因のすべてが解明されているわけではありませんが、手のひらや足の裏の感覚が過敏なことが原因と考えられています。そのため、脇を抱えて無理やり立たせようとすると、足を曲げて足の裏を床に付けないように頑張ろうとします。はいはいも手を付けないといけないため嫌がります。

シャフリングベビーのお子さんにとって、お座りのままずりずり移動するのは、手のひらも足の裏も地面につけない、一番不快のない移動手段なのです。

注意が必要なお子さんは?

シャフリングベビーだけであれば病気とは考えませんが、以下のような特徴がある場合は、なにか隠れた病気がないか注意が必要になります。必ず小児科に相談してみてください。

  • 身長・体重・頭囲の増え方が、順調ではない。母子手帳の曲線から外れている。
  • 手足の動きが活発ではない
  • 泣き方が弱々しい。ミルクの飲みが悪い。
  • はいはいや歩行だけでなく、首の座りも遅い。
  • 言葉の理解が良くない。発語が乏しい。
  • 育てにくさを感じる。

その他、気になることがあれば遠慮なく相談ください。

シャフリングベビーの対応は?

特に注意するべき項目にあてはまらず、問題のないシャフリングベビーの場合はどのように対応したらよいでしょうか。

結論としては、いずれ発達は追いついてくるので、特になにかをした方がいいということはありません。
強いて言えば、抱っこしてお子さんが安心しているときに、一番信頼を寄せているお母さんやお父さんが優しく手のひらや足の裏を触ってあげるといいでしょう。嫌がらない・泣きださない程度にやるのがコツです。慣れてきたら少しずつ刺激の強さを強めていって、触る→さする→マッサージのようにするといいでしょう。
これにより、足の裏に触られることの不快感が取れて、歩き始めを促すことにつながります。

最後に

シャフリングベビーはよくあることであり、病気ではありません。病院でそのように言われた場合は、過度に心配する必要はありません。

ただし、歩くのがゆっくりな時は一度病院に相談することは必要だと思います。
親御さんだけで「シャフリングベビーだから大丈夫」と決めつけずに、一度は病院で正確な判断を聞いてください。少ないながらも、神経や整形外科の病気が隠れていて、歩かないお子さんもいます。

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