<1か月の子どもができること>
- 大きな音に反応する。
- 明るいほうを見る。至近距離(30㎝くらい)では親の顔を見る。
1か月児健診は生まれてから最初に受ける乳幼児健診です(地域や医療機関によっては2週間健診を行うこともあります)。
この月齢では赤ちゃんができることはあまりなく、大きな音や明るさに反応するような様子が見られることもありますが、まだはっきりとは分からないこともあります。
1か月児に関しては、発達についておうちで判断できるものは多くありません。
そのため、今回は小児科医が1か月児健診でどのように子どもの発達を評価しているかを説明します。おうちで判断するのは難しい点なので、「ふーん」と流してもらえれば大丈夫です。
1か月児健診で発達を評価するために、小児科は「筋緊張」というものをチェックします。
「筋緊張」とは、適切な姿勢を維持するために無意識に発揮されている筋肉の収縮です。
椅子に座っている人を例に説明します。椅子に座っている人は、「いま自分の足や腰に力を入れている」という意識はないと思いますが、その姿勢を維持するために、全身のいろんな筋肉に力が入っています。この姿勢を保つための微妙な筋肉の収縮が筋緊張です。筋緊張が弱いと、だらんとして椅子に座れませんし、強すぎても身体がピーンとなって椅子には座っていられません。
この「筋緊張」というものが、1か月の赤ちゃんとして適切な具合に保たれているかを、診察をしながら見ています。
また、この時期は、赤ちゃんの発達を見てあげることよりも、パパとママが育児を楽しめているかも大事です。特にママは、自ら出産を終えたばかりで赤ちゃんに母乳をあげるわけですので、心身ともに疲れることが普通です。
赤ちゃんが1か月になったときのチェックポイントとして、パパ・ママがよく眠れているか、ちゃんとご飯を食べられているか、育児を楽しめているかを気にしてみてください。
そして、育児はこの先もずっと続きますので、こういったことで気になることがあれば、早めに医療機関に相談するようにしてください。自分だけでなく、パートナーの体調が問題ないか、育児を楽しめているかもぜひ気にしてあげてください。
私が研修医の頃、「1か月児健診は親御さんのお悩み相談だ」と小児科医から言われました。
特に一人目のお子さんの場合はわからないことだらけなのが普通です。日頃心配に感じていることは遠慮せずに1か月児健診の場で質問してみましょう。多くの自治体・医療機関で、健診の際には「問診表(予診票)」というものを書かされると思います。直接医師に聞きにくい場合は、問診表に気になることを書いておきましょう。
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