こんな症状、どう対応?~まえがき~

症状と病気

子どもは元気いっぱいですが、よく体調を崩すものです。
子どもは年に8回~10回くらい風邪を引くと言われております。年に10回ということはほぼ毎月ですね。

人間というのは不思議なもので、自分自身が、喉が痛かったり鼻水が出ていたりしていても多少頑張れるのに、自分の子どもが風邪を引いていると心配になってしまうものです。まして熱が上がったりした日には、気持ちが穏やかではないのはよくわかります。そんなときに、ぱっと気軽に病院に行ければいいのですが、あれこれ考えてしまう気持ちもよくわかります。

「こんな症状で連れて行って迷惑じゃないかしら」とか、一方で、「はやく病院に連れて行かないと、『なんでもっと早く連れてこなかったの』って言われるかな」とか、いろいろ考えてしまう親御さんは珍しくありません。もちろん、病院で働くイチ小児科医としては、「迷惑なことなんてありません。親御さんの不安に寄り添うことも仕事なので、迷ったらいつでも来てください」と思っていますが。
それから、いざ病院に連れて行っても、「忙しそうだったので聞きたいことが聞けなかった」ということも起こりえます。こういったことは、忙しそうな印象を与えて質問をしにくくしている医師側が反省すべき問題ですが、実際問題としてこのような経験をしている親御さんは少なくないと思います。

たしかに、我々の仕事は一日の忙しさを予想することは難しく、忙しい時はびっくりするぐらい忙しくなることもあります。「今日なんでこんなに予約外の患者さんが多いんだろう?」と自分でもびっくりしながら仕事をする一日もあります。そうなると待合室も大混雑で、患者さんはなかなか診察室に呼ばれなくて、「ああ、やっぱり忙しいんだ。こんな症状で連れてきて迷惑だったかな。色々聞きたかったけどやめておこう。」と間違った考えをさせてしまうこともあります。

他にも、医師が丁寧に時間をかけて説明したものの、残念ながらうまく伝わっていないケースも見受けられます。医師側のほうは伝わっているつもりで話していても、親御さんからすると「専門的な話でよく理解できなかった」ということもあります。

このような理由から、子どもの病気について疑問を抱きながら育児を頑張っている親御さんは少なくないと思い、なにか力になれればと記事を書くことにしました。 今回は、私が小児科をやっている中で感じた、親御さんが日々抱いている疑問をまとめました。

全ての親御さんと医療者との知識のギャップを埋めて、一丸となってお子さんの成長・発達を見守っていける世の中になることを願っています。

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