てんかん

症状と病気

「てんかん」という病気についてです。「てんかん」という病名を聞いたことはあるけれども、詳しくはよくわからないという方が多いのではないかと思います。
今回は、小児神経内科医として、てんかんとはどのような病気か解説いたします。

なお、こちらのサイトでもてんかんに関して記事を書かせていただきました。より詳しい内容になっていますので、ご覧いただけますと幸いです。

なお、けいれん時の対応等については、こちらの記事に記載しております。「熱性けいれん」に関する記事ですが、てんかん発作の時も基本的には同じです。

てんかんとは

「けいれん=てんかん」と考えている方もいますが、てんかんは「けいれんを繰り返す病気」のことです。また、身体をガクンガクンと震わせたり、手足をギューッと突っ張らせたりする、いわゆる「けいれん」だけではなく、「ぼーっとする」、「力が抜ける」、「反応がなくなる」など、多彩な症状があります。

そのため、「けいれん」を含めた「てんかん発作」というのが適切です。
以降は「てんかん発作」という言葉で説明しています。

どのようにてんかんと診断されるか

てんかんの診断には、問診(情報を収集すること)が最も重要です。
もちろんお子さんの診察もするのですが、それよりも親御さんの話から得られる情報のほうが大事です。

そのため、自宅でのてんかん発作の様子がどんなだったか、詳しく説明できるようにしておきましょう。可能ならば、ご自身のスマートフォンなどで、動画を撮影してください。言葉での説明でうまく伝わらなくても、動画があれば一目瞭然ということもあります。

てんかんの診断に役に立つ検査は?

最も一般的に行われる検査は脳波検査です。
しかし、「脳波検査をすればてんかんかどうかがはっきりする。」というほどの信頼性はありません。
脳波検査を参考にしつつ、問診で得た情報の方をもとにてんかんと診断していきます。

「脳波で異常がある=てんかん」や「脳波で異常がない=てんかんではない」という単純なものではありません。

てんかんと診断されたらその後の治療は?

てんかんの治療は、抗てんかん薬の内服です。
てんかん発作には、大きな事故につながってしまう場合や、長く続いて後遺症を残してしまう場合もあります。また、そうでなくても、てんかん発作によって生活の質が下がること、知的な発達に影響が出ることもあります。

ただし、抗てんかん薬にも当然副作用はあるため、薬が必要かどうかは慎重に判断します。
特にはっきりとてんかんと診断できていないお子さんに関しては、安易に抗てんかん薬を処方することはしないようにしています。

てんかんかもと思ったら

てんかんを心配して病院に来られるお子さんの中には、てんかんではないこともよくあります。
そのため、過度に心配することはせず、まずは病院に相談しましょう。

心配な場合は、医師の診察を受けるまでプールやお風呂は大人が見守り下で、高所での作業や自転車の運転は控えてもらった方がいいでしょう。

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