熱性けいれん

症状と病気

熱性けいれんは、生後6か月~5歳くらいのお子さんが、発熱に伴ってけいれん(発作)を起こす病気です。日本で熱性けいれんを起こす人は、およそ10人に1人と身近な疾患です。いざという時に、少しでも落ち着いて正しく対応できるよう、熱性けいれんの対応について解説します。

なお、今回の内容をもっと詳しく知りたい方は、イシャチョクという医療情報サイトで私が記事を書いていますので、こちらをご覧ください。
この記事の中では
・熱性けいれんは繰り返すの?
・熱性けいれんとてんかんの関係は?
・熱性けいれんの遺伝の関係は?
などについて解説しています。

けいれんが起きた時はどう対応する?

1.まずは慌てず冷静に。お子さんを安全な場所に移動させてください。
 周りから物が倒れてきたり、ベッドから転落したりすることを防ぎましょう。

2.お子さんの体を横向きにしましょう。
 嘔吐をすることがあります。誤飲しないように横向きにしてあげましょう。

3.けいれんの様子をよく観察しましょう。
 どんなけいれんだったかが診断につながることもあります。スマートフォンなどで動画を撮るのも良いです。

4.5分以上続く場合は救急車を呼びましょう。
 誤解のないよう補足しますと、5分以内でも救急車を呼んでかまいません。ここでお伝えしたいのは「5分以上続いたら必ず呼んでください」ということです。

けいれんが止まった後はどうする?

5分以内で自然にけいれんが止まった後の対応は決まったものはありませんが、私は以下のように勧めています。

<日中で気軽に小児科を受診できる場合>
日中のうちに受診するのをお勧めします。

<夜間でなかなか病院に行くのが大変な場合>
以下の項目に当てはまるものがあれば、その時点での受診をお勧めします。
・受け答えや意識の様子が普段と異なる。
・ぐったりしている
・手足の動きに麻痺がある
・けいれんが2回以上繰り返し起きた
・けいれんが全身ではなく身体の一部分だった
・けいれんが左右非対称だった
・親御さんが不安に感じる
該当するものがなく普段通りの様子で、親御さんの不安も少なければ、翌日の小児科受診で良いと思います。

最後に

熱性けいれんの事前知識があると、熱性けいれんに遭遇してしまった場合に、パニックになることが少なく、適切に対応できることが多くなったという研究結果もあります。 いざというときに慌てず対応できるよう、この記事が参考になりますと幸いです。

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