「さっき転んで頭をぶつけました。受診させた方がいいでしょうか? このままお家で様子を見ても大丈夫ですか?」
子どもが頭をぶつけると、たんこぶができただけでも「頭の中で出血していないだろうか」と心配になります。以前の記事では、病院でCT検査を行うかどうかを中心に説明しました。今回は、受診した方がよい場合と、自宅で様子を見られることが多い場合を、保護者向けに整理します。
まず、ぶつけた直後にすること
最初に、お子さんを安全な場所へ移して落ち着かせます。大泣きしていても、あやすと落ち着き、目が合い、手足を普段どおり動かしているかを見てください。
- 出血している:傷口を流水で洗い、清潔なガーゼやタオルなどで数分間しっかり押さえる
- たんこぶがある:保冷剤を布で包み、10〜15分ほどやさしく冷やす
- あとで説明できるよう、ぶつけた時刻・高さ・床の硬さ・直後の様子をメモする
高い場所から落ちた、交通事故など強い衝撃が加わった、意識を失った、首を強く痛がる、といった場合は、家庭で様子を見る前に医療機関へ相談してください。
すぐに受診してほしいサイン
頭の中の出血などでは、時間がたってから症状が目立つことがあります。特に最初の24時間は、できれば大人がそばで様子を見てください。次の症状があれば、夜間でも医療機関へ相談・受診してください。
- 呼びかけても起きにくい、意識がぼんやりしている
- 何度も吐く
- 頭痛がだんだん強くなる、激しく泣き続けてなだめられない
- けいれんした
- 受け答えがおかしい、普段と違う行動が目立つ
- 手足の動きに左右差がある、歩き方や話し方がおかしい
- 左右の瞳の大きさが違う、ものが二重に見える
- 耳や鼻から血または透明な液体が出る
- 乳児で、ミルクや母乳を飲めない・極端に不機嫌である
判断に迷うときも、「もう少し待たなければ受診できない」と考える必要はありません。いつものお子さんを知っている保護者が感じる「何か変」は、大切な受診理由です。
お家で様子を見られることが多いのは?
次のような場合は、重い頭のけがである可能性は低く、自宅で慎重に様子を見ることが多いです。ただし、一つでも不安があれば医療機関へ相談してください。
- 低い位置から転んだ、立った高さから転倒したなど、強い衝撃ではない
- ぶつけた直後からしっかり泣き、その後は落ち着いた
- 目が合い、呼びかけへの反応や会話が普段どおりである
- 手足を普段どおり動かし、歩ける子はいつもどおり歩ける
- 何度も吐く、強くなる頭痛、けいれんなどの危険な症状がない
たんこぶの大きさだけでは、頭の中の状態は決まりません。たんこぶが小さくても様子がおかしければ受診が必要ですし、目立つたんこぶがあっても元気で普段どおりなら、診察後に自宅観察となることもあります。ただし、乳児の大きくぶよぶよしたたんこぶは、受診を検討する材料になります。
お家ではどう過ごす?
受傷後は、特に最初の24時間、できれば大人がそばで様子を見ます。食事や水分は、吐き気がなく普段通りの様子であれば、いつも通り与えても構いません。心配な時は激しい運動、転倒しやすい遊び、長時間の外出は避け、静かに過ごしましょう。
会話や反応が普段どおりで、危険な症状がなければ、いつもの時間に寝かせて構いません。一晩中起こして、逐一様子を確認する必要は通常ありません。眠る前に、目が合うか、呼びかけに反応するか、歩ける年齢ならふらつかないかを確認します。単に眠いことよりも、「起こそうとしても反応しない」「普段と明らかに違う」ことが問題です。診察した医師から夜間の確認方法を指示された場合は、その指示に従ってください。
検査で問題がなくても、少しだけ気にしてほしいこと
頭のCTで分かるのは主に骨折や出血です。一方、脳しんとうはCTで異常が見えないことも多く、頭痛、めまい、疲れやすさ、光や音を嫌がる、機嫌が悪い、眠り方が変わる、といった症状として現れます。
症状がある間は、激しい運動や転倒しやすい遊びを避け、静かな活動から少しずつ普段の生活へ戻します。特にコンタクトスポーツをする年長児において、スポーツ中に激しくぶつけた場合は、その日のうちに競技へ戻さないでください。症状が続く、学校生活に支障がある、いったん良くなったのに悪化した場合は、あらためて受診しましょう。
まとめ
受診するかどうかは、たんこぶの見た目だけでなく、ぶつけ方と、その後のお子さんの様子を合わせて判断します。危険な症状がなく、反応や動きが普段どおりなら、自宅で慎重に様子を見られることが多いです。
一方、症状が悪化する場合や、保護者が「いつもと違う」と感じる場合は、遠慮なく医療機関に相談してください。


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