子どもに熱が出ると、
「すぐに病院へ連れて行った方がいいのかな?」
「明日まで待っていて大丈夫かな?」
と心配になりますよね。
特に夜間や休日は、今すぐ受診するべきか、翌日まで様子を見てよいのか、迷うことが多いと思います。
このときに、体温も大切な情報の一つです。しかし、小児科医が受診の必要性を考えるときには、体温の数字だけを見ているわけではありません。
それ以上に大切なのが、その子が普段と比べてどのような状態なのかということです。
今回は、子どもが風邪をひいたときに、ご家庭で確認してほしい4つのポイントを紹介します。
1.元気や反応はどうですか?
最初に見てほしいのは、子どもの元気や反応です。
熱が高くても、保護者の顔を見て笑ったり、おもちゃで遊んだり、好きな動画を見たがったりする子もいます。
反対に、それほど高い熱ではなくても、
- 呼びかけへの反応が弱い
- ずっと横になっている
- 目つきがいつもと違う
- あやしても反応が乏しい
- ぐったりして起き上がれない
といった様子が見られることがあります。
「何度の熱があるか」だけではなく、熱があっても、その子らしい反応が残っているかを見てください。
保護者の方が感じる「いつもと何か違う」という感覚は、とても重要です。
2.呼吸は苦しそうではありませんか?
風邪の症状が出ていても、呼吸が苦しくなければ、慌てずに経過を見られる場合があります。
一方、次のような様子がある場合には、早めの受診が必要です。
- 息をするたびに肩が上下する
- 胸やみぞおちがペコペコへこむ
- 息が明らかに速い
- ゼーゼー、ヒューヒューして苦しそう
- 咳き込んで顔色が悪くなる
- 唇の色が紫色っぽい
- 苦しくて話したり泣いたりできない
「咳がある」ということだけに注目するのではなく、咳をしていないときにも呼吸が苦しそうかを確認することが大切です。
3.水分は取れていますか?
風邪のときには、食欲が落ちることがよくあります。
「いつもよりも食欲が少ない」くらいであれば、すぐに大きな問題になることは多くありません。それよりも大切なのは、水分が取れているかどうかです。
一度にたくさん飲ませる必要はありません。
水やお茶、母乳、ミルク、経口補水液など、飲めるものを少しずつ与えてください。吐き気があるときには、少量をこまめに飲ませた方がうまくいくことがあります。
次のような場合には、脱水が進んでいる可能性があります。
- 水分をほとんど受け付けない
- 飲んでも何度も吐いてしまう
- おしっこの回数が明らかに少ない
- 口の中や唇が乾いている
- 泣いても涙があまり出ない
- ぐったりしている
水分も取れず、おしっこも減っている場合には、医療機関へ相談しましょう。
4.症状は良くなっていますか、悪くなっていますか?
風邪の症状は、ずっと同じではありません。
熱が下がってきた、少し遊べるようになった、水分を取れる量が増えたという場合には、回復に向かっている可能性があります。
一方で、
- 時間がたつほど元気がなくなっている
- 咳や呼吸の苦しさが強くなっている
- 一度良くなった後に、再び強い熱が出た
- 熱が長引いている
- 新しく強い痛みや繰り返す嘔吐が出てきた
といった場合には、最初は軽い風邪に見えても、別の病気や合併症が隠れていることがあります。
「今この瞬間の症状」だけではなく、昨日や数時間前と比べてどう変化しているかを意識してください。
最後に
受診するかどうかは、体温だけでは決まりません
保護者の方から、
「何度になったら病院へ行くべきですか?」
と聞かれることがあります。
しかし、受診の必要性を体温だけで決めることはできません。
39℃の熱があっても、水分を取り、呼吸が落ち着いていて、ある程度元気に過ごせる子もいます。
反対に、熱がそれほど高くなくても、呼吸が苦しそうだったり、ぐったりして水分を取れなかったりすれば、早めの受診が必要です。
大切なのは、
「熱が何度あるか」ではなく、「熱によって子どもがどのくらいつらそうか」
を見ることです。
また、夜間や休日に受診すべきか迷った場合には、厚生労働省の「こども医療電話相談(#8000)」を利用できます。全国共通の短縮番号「#8000」に電話すると、お住まいの都道府県の相談窓口につながり、小児科医師や看護師から、家庭での対応や受診の必要性について助言を受けられます。
ただし、明らかに呼吸が苦しそう、意識や反応がおかしい、顔色が悪いなど、緊急性が高いと感じた場合には、電話相談を待たずに救急要請を検討してください。
そして、「いつもの風邪と何か違う」「家で見ているのが不安」と感じたときには、遠慮せず医療機関へ相談してください。
受診した結果、「大きな問題はなさそうです」と言われることもあるでしょう。でもそれは無駄な受診だったという意味ではありません。診察を受けて、安心して家で見守れるようになることにも、十分な意味があります。
子どもの一番近くにいて、普段の様子をよく知っているのは保護者の方です。体温計の数字だけではなく、目の前のお子さんの様子を見ながら判断していきましょう。


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