11月。季節は秋から冬へと向かい、朝晩の冷え込みが少しずつ増してきました。
「え、新学期の話をするには早いのでは?」と思うかもしれません。
でも実は、この「少し早い時期」から準備を始めることが、春をスムーズに迎えるいちばんのコツです。
子どもたちは、冬の間に体調や生活リズムが乱れやすくなります。そして年度末には行事が増え、親も子もバタバタ。気づいたら「もう新学期目前!」──そんな状態で慌てないために、11月から「心と体の助走」を始めるのが理想です。
今回は、小児科医の視点から「春を笑顔で迎えるために今からできる準備」を、5つのチェックポイントとしてまとめました。冬の間に少しずつ整えていくことで、進級・進学シーズンを気持ちよく迎えられます。
生活リズムの「リハビリ」は冬から始めよう
冬はどうしても夜が長く、朝も暗いため、寝るのが遅くなりがち。体内時計もズレやすく、春先に急に早起きを始めるのは難しいものです。
ですから、11月〜冬の間に少しずつ「朝型リズム」へ戻していくことをおすすめします。
- まずは寝る時間を15分ずつ早める
- 朝はカーテンを開けて日光を浴びる
- 休日も起きる時間を大きくずらさない
朝日を浴びることで、眠りのホルモン「メラトニン」のリズムが整い、自然に眠気が訪れるようになります。冬のうちからこのサイクルを意識しておくと、春の新生活がぐっと楽になります。
朝ごはんで「体と脳のスイッチ」を入れる
朝食は、脳と体のガソリン。でも、寒い季節は「食欲がない」「時間がない」と抜きがちになるご家庭も多いものです。
毎朝のごはん」は、体と心のリズムを整える小さな習慣。冬のうちから「朝ごはんルーティン」を作っておけば、春のスタートダッシュが変わります。
「心の準備」は見通しと安心から
進級や入学は、大人が思う以上に子どもにとって大きな変化です。クラスが変わる、先生が変わる、お友達が変わる──これらはすべて「環境のストレス」になります。この時期に大切なのは、「不安をなくす」ではなく「見通しを持たせる」こと。
「どんなことが起きるか」を前もって話しておくだけで、子どもの心は落ち着きます。
- 「春から先生が変わるかもしれないね」と話す
- 新しい園・学校の写真を見せる
- 「不安だね」と気持ちに共感する
親が「大丈夫!」と励ますよりも、「一緒に準備しよう」と寄り添うほうが、子どもの安心感はずっと大きくなります。
「自分でできる」を増やして自信アップ
進級や入学は、「自立」の第一歩でもあります。服の準備、持ち物の整理、連絡帳の記入──。最初から全部完璧にできなくても、「自分でやってみる」経験が大事です。冬のうちに、少しずつ「自分のことを自分でやる練習」を始めましょう。
- 前日に服や持ち物をそろえる
- 給食袋・タオルなどを自分で準備
- できたらすぐに「ありがとう」「助かった」と声をかける
大人が思う以上に、「自分でできた!」という体験は子どもの誇りになります。親は「完璧さ」よりも「挑戦の回数」を見守ってあげてください。
春の体調トラブルを「冬のうちに防ぐ」
春は体調の波が大きくなる季節。気温差・花粉・新しい環境のストレス──さまざまな要因で体調を崩しやすくなります。だからこそ、冬のうちから「土台づくり」を始めておくことが大切です。
規則正しい睡眠と食事を心がけ、手洗いや咳エチケットといった基本的な感染対策を身に付けましょう。
親も一緒に「春への準備」
つい子どものことを優先して、自分のことは後回しになりがちなパパ・ママ。でも、親の心と体が整っていることこそ、子どもにとって最大の安心材料です。
- 自分の睡眠リズムも意識する
- 「まあいっか」と笑える余裕を持つ
親がリラックスしていると、子どもも自然と落ち着きます。「家族全体で春への助走をつける」──それが理想的な準備です。
まとめ:冬から始める「春への助走」
進級や入学は、子どもたちの成長の大きなステップ。でも、変化の季節を安心して迎えるには、冬から少しずつ整えることがポイントです。


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