ほっぺが赤くなることで有名な「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」
2024年に数年ぶりの大きな流行があり、2025年2月1日現在も警戒が必要です。はたして伝染性紅斑とは一体何なんでしょうか。そしてどんなことに注意が必要なのでしょうか。
伝染性紅斑とは?
伝染性紅斑は、幼児~小学生に多く見られるウイルス性の感染症です。ウイルスの名前はあまり知られていませんが、「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスが原因です。
ほっぺが赤くなることが特徴であり、そのほっぺの見た目から「リンゴ病」という通称で知られています。
伝染性紅斑の症状は?
伝染性紅斑の初期症状は、微熱やだるさ、軽い頭痛、のどの痛みなどが多く、通常のかぜとよく似ています。初期症状から1週間~10日程度経過したところで、この病気の特徴であるほっぺの赤みが出てきます。その後、手足や身体にも発疹が広がることがあります。
伝染性紅斑の症状は基本的に軽く済むことが多く、入院になるような重症例は少ないです。
伝染性紅斑の治療法
そのほかのウイルス感染症と同様、伝染性紅斑に対する特効薬はありません。お薬を飲んだから早く治るというものでもなく、自分の免疫の力で自然に良くなっていく病気です。
熱がつらいときは解熱薬を使うことがありますが、あくまでも症状を一時的に和らげる治療です。
伝染性紅斑の予防法は?
感染対策は通常の風邪と同じです。手洗いをきちんとすること、咳などの症状がある方は、マスク着用などの咳エチケットやなるべく人との接触を避けることが望まれます。
ちなみに、微熱などの初期症状の段階が最も感染力が強く、特徴的な発疹が出現する頃にはほとんど感染力はありません。したがって、ほっぺが赤いお子さんを過度に遠ざける必要はありません。
伝染性紅斑のコワいところ
基本的に軽症で済む伝染性紅斑ですが、妊婦さんは特に注意が必要です。
妊婦さんが感染することでおなかの中の子に影響が出て、流産する危険性が高まります。特に妊娠初期が要注意であるものの、妊娠中通して絶対に安全な時期というものはありません。ただし、妊婦さんが感染したからといって必ずしもお子さんに影響が出るというわけではなく、健康に生まれてくることもあります。
最後に
伝染性紅斑は、ほとんどの場合軽症で自然に治る病気ですが、妊婦さんや免疫力の低下した方にとっては注意が必要です。普段からの手洗いや咳エチケットといった基本的な感染予防を心がけることで、大切な家族を守ることができます。
かなけい小児科ブログでは、引き続き子どもたちと親御さんが安心して過ごせるよう、正しい医療情報発信に努めてまいります。疑問や不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください!
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