母乳のメリット

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母乳育児はたくさんのメリットがあります。

赤ちゃんを育てるのにミルク(人工乳)を使うことは珍しいことではない世の中になってきており、ミルクが必要なご家庭があるのもまた事実です。最近ではミルクも研究・開発が進んでおり、ミルクメーカーさんの努力は本当に多くの赤ちゃん・親御さんの助けになっていると思います。

一方で、健康の面からみると、ミルクにはない母乳のメリットがたくさんあるのも事実なので、今回は母乳育児のメリットについて説明をしたいと思います。

ミルクによる育児を否定するつもりはなく、双方にきちんとメリットがあります

正しく理解したうえで、育児を頑張る親御さんが過度に負担を感じない範囲で、それぞれが良いと思う育て方ができたらいいと思っています。

感染症の予防

母乳で育ったお子さんは、感染症による入院が少なかったことや、入院期間が短かったことが示されています。母乳には感染から児を守る効果があることが分かっています。驚くことに、周囲で流行している感染症がある場合、お母さんの体の中で母乳の性質が変化し、流行している感染症に特に強くなるようです。さらに、お子さんが感染症にかかった場合も、感染症に対抗する成分を多く含んだ母乳に変化するとのデータがあります。

このような、本来人間に備わった驚くべき機能により、母乳はお子さんを感染症から守る特効薬となりえます。

乳幼児突然死症候群のリスク低下

乳幼児突然死症候群とは、何の予兆などもなく睡眠中に乳幼児が死に至る原因不明の病気です。珍しいものではありますが、厚生労働省の報告で、乳児期の死亡原因の第4位となっています。

母乳で育てられているお子さんは、乳幼児突然死症候群の発生率が少ないことが示されています。

なお、うつぶせ寝、親御さんの喫煙も乳幼児突然死症候群のリスクであることが分かっています。

乳幼児突然死症候群は原因不明の病気なだけに、よくわかっていないことも多いです。しかし、これらのことを注意することで、そのリスクを下げられることはデータとして示されています。

認知機能や発達への影響

いくつかの研究で、母乳で育てられたお子さんは、人工乳で育てられたお子さんと比べて、認知能力や社会性が優れていたり、MRIでの脳の発達が進んでいたという結果が出ています。まだ十分なデータとは言えませんが、母乳はお子さんの知的な発達に対してもメリットがある可能性が示唆されています。

お母さんに対するメリット

母乳はお子さんだけでなく、お母さんに対してもメリットがあります。

ストレスや産後うつの軽減、肥満予防などのほか、がんや生活習慣病の予防効果なども言われております。産後の回復に役立つだけでなく、長期的な健康のためにもメリットがあります。

気を付けたいこと

ここまで母乳のメリットを強調してお話しました。

気を付けないといけないのは、「母乳で育てないといけない」という誤った認識・押しつけです
「ミルク=悪」ではなく、必要に応じて適切に使う分には、ミルクも親御さん・赤ちゃん双方に有効です。

偏った母乳育児へのこだわりによって、赤ちゃんの栄養失調や、お母さんの育児ストレス過剰に陥らないようにすることは重要です。

まとめ

「母乳でもミルクでもどっちでも良い」ということはなく、母乳には母乳のメリットがあります。母乳が使えるのに「ミルクでもいいよね」と母乳を使わないのは、もったいないです。

しかし、ミルクが必要なケースもたくさんあるのは事実です。必要性をきちんと理解して使う分にはまったく問題ありません。また、完全母乳が難しくても、混合栄養でも母乳のメリットは受けられます。

偏った母乳育児へのこだわりは、お母さん・赤ちゃん双方を苦しめることになるので、正しく理解してそのご家庭に一番いい方法を選択出来たらよいと思います。

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