異物誤飲~飲みこんじゃった!~

事故と予防

何かを間違って飲みこんでしまうことを、「誤飲(ごいん)」と言います。
食べ物・飲み物や唾液などが、空気の通り道に入ってしまうことは「誤嚥(ごえん)」と言います。言葉は似ていますが別のものを指します。

お子さんは気になったものを口に入れたがるクセがあります。
異物誤飲をしてしまったときの対応、どんな症状が出るか、どのように予防するかを中心に、小児科医の視点から解説いたします。

異物誤飲の分類

異物誤飲は、異物が「食べ物の通り道」に入ったのか、「空気の通り道に入ったのか」で大きく2つに分けて考えます。

・食べ物の通り道に入ったもの=食道異物
・空気の通り道に入ったもの=気道異物

と言います。

異物誤飲の症状

気道異物では、激しい咳き込み、かすれた声、ゼイゼイ・ヒューヒューという音(喘鳴)、呼吸が苦しい様子が出ます。

食道異物では、吐き気や嘔吐、唾液を飲みこめずにだらだら流す様子、胸のつかえ感などが出ます。これらの症状は、異物が食道から胃に進むと、軽くなることが多いです。
その他に、毒性のあるもの(例えばタバコなど)では、固有の症状が出ることがあります。

異物誤飲したときの対応は?

まずは速やかに病院を受診してください

気道異物の場合や危険性の高い異物の場合は緊急のこともあります。
ぐったりしていたり、呼吸がおかしかったり、頻回に嘔吐をしている場合などは、救急車で受診することをお勧めします。

明らかに窒息している場合は、救急要請をするとともに、自宅で速やかに異物を除去する必要があります。そのやり方は、日本医師会の救急蘇生法のページにイラストつきで紹介されていますので参考にしてください。

このような緊急事態を除き、ご自身の判断で無理に異物を出させようとすることは危険です。
異物によっては、水を飲ませたり、吐かせた方が良いものも一部ありますが、かえって悪くしてしまうことも多いため、まずは速やかに病院を受診することを優先してください。

異物誤飲の予防は?

飲み込む危険があるものはお子さんの手の届かない場所に置くように心がけてください。
問題になるものとして、おくすりや、ボタン電池、タバコ、磁石などがあります。
水で膨らむタイプの製品(ビーズのおもちゃ、消臭剤、衛生用品など)は、一見小さくて飲み込んでも問題なさそうでも、おなかの中で大きく膨らんで危険です。特に注意してください。

食べ物に関しては、3歳以下(できれば5歳以下)は特別な配慮をしなければいけません。
この年齢では、まだ奥歯が生えそろっていないのと、噛んだり飲み込んだりといった機能が大人よりも未熟です。そのため、食品を噛まずに飲み込んでしまうことや、食べ物の通り道に入ってしまうことも少なくありません。
具体的には、豆類・キャンディーなどのつるんと飲み込んでしまいそうなものや、よく噛まないといけないお餅やお団子などは、3歳以下は控えましょう(もしくは小さく砕いてあげましょう)。

自治体によっては、母子手帳に、「この穴を通るものは赤ちゃんの口に入ります」という注意が書かれているページがあります。一度母子手帳を確認してみてください。
配られている母子手帳になければ、「誤飲防止ルーラー」で画像検索をすると出てきます。※画像が大きく(小さく)表示されていないか注意は必要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました