お子さんは本当によく「すり傷」を作って帰ってきます。
すり傷だけであればお家で対応することも多いと思いますが、どんな対応をするのが一番良いのか、実は自信がない方は多いと思います。
今回は、小児科医の視点から、すり傷からばい菌が入って感染を起こさないようにするため、すり傷を早く治すために何ができるかを、わかりやすく解説します。
- すり傷は水道水でよく洗いましょう。
- すり傷は乾燥させず、湿潤(湿った環境)が大事です。
まず水道水でよく洗う!
すり傷を負った時にまずやるべきことは、たっぷりの水で傷口をよく洗うことです。
病院では生理食塩水などを使うこともありますが、自宅では水道水でよいです。
日本の水道水は十分きれいであり、傷口を洗うのに安全とされています。傷口からばい菌の感染を防ぐために、しっかりと水道水で洗い流しましょう。
ちなみに、ドラッグストアなどでは消毒液も売られていますが、最近は傷口に消毒液は使用しないことが一般的となっています。消毒液を使うことで、傷口の修復過程を邪魔してしまい、治りがむしろ悪くなると言われています。
傷口は適度に湿らせて早く治す!
傷口は何もしなくても自然に治りますが、乾燥しているよりも適度に湿っていた方が、治りが早いです(湿潤環境)。
絆創膏などで保護して、ばい菌の侵入を防ぎ、適度な湿潤環境を保ちましょう。絆創膏よりもさらに最適な湿潤環境を作るには、キズパワーパッドのような密閉タイプの被覆材がベストです。少々値は張りますが、より早くきれいに傷を治すことができます。
病院を受診するべき傷は?
傷の周りが赤く腫れあがっていたり、傷口から膿が出ている場合は、自宅で治療せずに病院を受診してください。熱が出ている場合や元気がない場合も同様です。
感染を起こしている場合は抗生物質(抗菌薬)を使うことが必要になります。
また、錆びた金属で怪我をした場合や、人や動物に噛まれた場合なども、感染のリスクが高いため、一度病院を受診した方がいいでしょう。
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